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【バリュー株投資】下落相場に強い低リスク投資?BMキャピタルのアクティビスト投資を取り入れた本格的ネットネット株投資の手法を解説

BMキャピタルは日本株に投資をしてリターンを獲得する、10年以上の運用歴がある老舗の国内ヘッジファンドです。

 

堅実に資産を守り育てるという理念の下、運用されています。そのため1年間で倍になるなどの決して派手な成績を出すわけではありません。

しかし、堅実にかつ着実に資産を増やしていってくれています。資産運用では如何にマイナスを出さずに利益を積み上げ、複利効果を最大化させるかが最重要ですからね。

 

そもそも1年間で倍になるようなファンドは以下の2つのうちのどちらかです。

  1. そもそもポンジスキームなどの詐欺ファンド
  2. 特定のセクターに投資をしており、そのセクターが短期的に大きく伸びた(一時的なバブル発生など)

1つ目の詐欺の可能性については以下の記事をご覧いただければと思います。

→ 【ポンジスキーム】BMキャピタルの運用スキームは怪しい?解散済み?詐欺の可能性の検証を含めて徹底解説!

 

運用していないにも関わらず運用して大きなパフォーマンスが出ているかのように宣伝して資金を集めている詐欺ファンドも実際存在しています。

 

2つ目については単純に投資していた分野が当たったという類のものです。しかし、栄枯盛衰は世の常です。常に大きなリターンを出せるわけではありません。

むしろ、パフォーマンスのよかった時期が終わると上昇しすぎた分の下落を被ることが殆どです。

人気のあるセクターというのは既に株価が上昇しきっています。昨年のリターンがよかったというだけでファンドを選択するのは賢明な方法とはいえません。

 

重要なのは、どのような市況環境であってもリターンを追求できるような理論に基づく投資ができているかという点です。

筆者がBMキャピタルに投資したのはまさにこの点を満たしているからなのです。

BMキャピタルは規模の大きくなってしまったファンドが実践できない理論的にリターンがでることがほぼ確実な手法を用いて運用を実施しています。

当然、投資なのでドローンダウンとなることもあります。

しかし、筆者が見てきた中でBMキャピタルが損切りを実施している事例はなかなか見受けられませんし、実際ファンド自体も年度ベースで下落したことが運用開始以来過去10年ありません。

→ 【リターン】BMキャピタルの利回りは?安定感抜群のBM CAPITALの運用実績をわかりやすく解説!

 

今回はそんなBMキャピタルの投資手法について触れていきたいと思います。同社はバリュー株投資を実践していますが筆者自身も挑戦したことがある手法です。

しかし、まさに玄人であり、且つ資金規模+経営経験なしではリターンが獲得できない非常に難しい手法です。

バリュー株投資とはそもそも個人が実施すべき手法ではなく、運用規模の大きいファンドが取り組む投資手法なのです。

では前置きが長くなりましたが本編に移っていきたいと思います。

 

BMキャピタルの投資手法はバリュー株投資

BMキャピタルの主な投資手法は「バリュー株投資」です。BMキャピタルが採用するバリュー株投資の生みの親はあの「オマハの賢人」、バフェットの師匠であるベンジャミングレアム氏です。

ベンジャミングレアム

 

ベンジャミン・グレアム氏の投資対象は「1万円札の入った財布が5000円で売られているような株」という言葉はあまりにも有名です。

バリュー株投資は多くの人がPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、PSR(株価売上高倍率)などを手掛かりに「割安度」を判断し投資するものと考えています。

 

これは大きな勘違いです。そんな単純なものではありません。バリュー株投資とはもっと奥深いものなのです。

ベンジャミングレアム氏が提唱する基礎を捉えながら、大まかなバリュー株投資の戦略を言ってしまうと以下となります。

価値ある企業」を財務分析や会社訪問などをして見定め、「相場の地合い(企業固有の問題ではない株価下落)により安くなったタイミング」で投資をする手法です。

つまり、「企業分析力」と「投資タイミング」が肝となります。では、BMキャピタルがどのような方法で銘柄を選定しているか詳しくみていきたいと思います。

 

BMキャピタルが選定するネットネット株とは?

通常理論的な株価というのは以下の式で算出されます。

理論株価

(① 純資産+②将来の事業価値)
÷
発行済株式数

 

しかし、将来の事業価値は不確実で見通せるものではありません。

また、一言に純資産といっても「商品」や「のれん」や「設備」などの不確実な資産も包含されています。そこでグレアムは上記の将来の事業価値や不透明な資産を除いて超保守的な理論株価を算出します。

グレアム流のバリュー株投資の概念図

この超保守的な理論株価が実際に取引されている株価を上回っている場合に投資対象銘柄として厳選します。

このような銘柄が意味するところは、購入した瞬間に資産を売却して精算した瞬間に利益がでるというバーゲンセール状態の銘柄ということを意味します。

つまり、購入した時点で理論的に下落する余地というのが殆どない銘柄ということを意味します。

 

ネットネット株投資のメリットは?

では、ネットネット株投資のメリットについてお伝えしていきたいと思います。

下落相場に強い

先ほど申し上げた通り、ネットネット株は確かな資産に裏打ちされた価格を元にして投資対象銘柄を選定します。買った瞬間に精算をしたら確実に利益が出る銘柄に投資しているので下落する可能性は著しく低くなっています。

実際、BMキャピタルは過去10年プラスのリターンを出しており実績としても裏付けされています。

堅実なリターンが見込める・相場環境に左右されない

相場環境が悪い時でも株式をオーバーパフォームするのがバリュー株投資です。ただし、派手な運用成績も残すのは難しいです。投資の鉄則には、「損失を出さない」というものがあります。

損失さえ出さず、資産が確実に増えているのであれば利回りがたとえ小さくても「複利」が働いてリターンを拡大していってくれます。

 

例えば、簡単な数字で表すと1000万円を投資する。毎年5%の利回りを出す。1000万円、1050万円、1103万円、1158万円、1216万円、1276万円という推移で資産は増えていきます。

5%利回りというと毎年50万円だけ増えていく印象を持ってしまいますが、6年目には1276万円と単利であれば1250万円のところ26万円もリターンが増加しています。

 

これは元本が大きくなればなるほど、時間軸が長ければ長いほど、増大なものになっていきます。しかし、損失を出さないというのは相場では生半可な努力では成立させるのは難しいです。

そこで、BMキャピタルのようなバリュー株投資を確立したファンドが評価されるということです。

 

バリュー株投資のデメリットは?

ではデメリットについても見ていきましょう。

そもそもネットネット株を見つけるのが難しい

そもそもネットネット株は買った瞬間にリターンが出る銘柄です。しかし、冷静に考えて見てください。このようなバーゲンセール銘柄がそもそも存在するのが非常に珍しいことです。

通常の株式市場ではなかなか存在しません。しかし、そもそも非常に割安でなおかつ上場している銘柄が多い日本の株式市場には存在するのです。

日本の株式市場は時価総額の割に3500社も上場しています。

日本の上場企業数

すると、証券会社や機関投資家の目が届かない銘柄も存在します。つまり、プロの目が届かず異常に割安な水準で放置されている銘柄も存在しているのです。

BMキャピタルは虎視眈々と候補となる銘柄の値動きと決算を見張り条件を満たした銘柄を常に探求しつづけています。まさに、プロとして運用しているBMキャピタルだからこそ出来る手法であるともいうことができるでしょう。

 

短期間での大きなリターンは獲得が難しい

ネットネット株投資の欠点としては長期間株価が上昇しない可能性があるという点があります。

先ほどもお伝えした通り市場から放置され著しく低い株価で取引されているのがネットネット株です。つまり、そのまま放置され続けるということも十分考えられるのです。

個人投資家であれば、指を咥えて見ているしかないのですが、資金力のあるファンドという形で投資をしていれば話が違ってきます。

 

ネットネット株の条件を満たすような銘柄は市場から見向きもされない超小型株なので、BMキュピタルが投資を行うことで大株主となることができるのです。

大株主になると発言権がでてきます。経営陣に自社株買や増配を迫ることもできますし、非合理的な費用の圧縮などを迫ることもできます。

結果としてプレスリリースをだし市場の注目を集めて株価が上昇していく「きっかけ」を能動的にかつ主体的に作り上げることができるのです。

アクティビストファンドは株価を能動的に引き上げる

実際にバリュー株投資とアクティビストとしての動きを組み合わせた攻守組み合わせた事例についてお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

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まとめ

BMキャピタルの投資手法についてまとめてみました。

ベンジャミングレアムにルーツをもつ本家本流のバリュー株投資を実践して下落耐性を極限まで高めた上で、欠点でもあるリターンがでるまでの期間ををアクティビストとして能動的にきっかけを作り解決しています。

どのような市況環境であっても再現性高く安定したリターンが出せる手法で運用しているということができるでしょう。

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