はじめに
筆者はBMキャピタルへの投資を開始してすでに7年が経過しています。
最初は私自身、個人的に株式投資をして派手なリターンを求めていましたが、大勝ちしては大負けするということを繰り返し、根本的に投資への考え方を誤っていました。最終的にはマイナスで終わることが多く、何かが間違っていると考えを改め直しました。
そこで気づいた一つの真実として、損失を出さずに確実にプラスの利回りを時間をかけて獲得していくことの重要性、そのパワフルさに気づいたのです。
実際にこの気づきは世界長者番付で上位に君臨するウォーレン・バフェットの運用から学びました。

バークシャーの年間の収益率がマイナスだったのはわずか2回しかない。単年の収支でなく、これだけ長期間に渡って驚異的なリターンをあげてきたのが、バフェットが伝説の投資家と言われる所以なのだ。
バフェットは、「バリュー投資」を実践している。バリュー投資とは、実際の価値よりも割安に放置されている株を購入し、本来の価値に戻った時に売却して利益を得る投資手法だ。バフェットは、割安と思った株式であれば、株価が下がった時を見計らい、すぐさま購入に向かう。2008年の金融危機はバフェットにとっては絶好の買い場であったと考えられる。
50年間でマイナスが2回しかなく、割安株でリターンを獲得し複利で資産を飛躍的に伸ばす。筆者自身はこのバリュー株投資は勉強中ですが、玄人向け投資であり身につけられるものではないため、運用先を探していたところでBMキャピタルとの出会いがあったということです。
実際にBMキャピタルで運用している者として、筆者がわかっている範囲で情報を網羅しました。
BMキャピタルとはどのようなヘッジファンドか?概要と代表者・ファンドマネジャーの経歴
BMキャピタルは私募ファンドであるため、情報があまり出てきません。
以下が会社概要となっています。
名称 | ビーエムキャピタル合同会社 |
英名 | BM CAPITAL LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
電話番号 | 03-3403-2508 |
事業目的 | 金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 |
各種事業への投資 | |
有価証券の自己募集 | |
経営コンサルティング業務 |
BMキャピタルはファンドマネージャーが海外で運用業務を行っているため、六本木本社は事務系の手続きを行う拠点として存在しているそうです。
事業目的の中に経営コンサルティング業務が入っていますが、これはBMキャピタルが「物言う株主」としてアクティビスト戦略を実行していることを意味しています。
BMキャピタルの社長は森山武利氏となっています。森山氏はファンドマネージャーではなく、営業統括の立場を担っています。
森山氏の簡単な経歴は以下となっており、エリート街道を突っ走ってきたことがわかりますね。山一證券はバブル時代に一斉を風靡した證券会社です。現在の野村證券よりも大手でした。
本田技研
↓
山一證券
↓
日本ユニコム(現:日産証券)
↓
BMキャピタル
ヘッジファンドにおいて一番重要なのはファンドマネージャーです。ヘッジファンドという形態はファンドマネージャーに運用をお任せするという形態で運営されています。

投資信託などではサラリーマンとして新卒で採用された方が運営していたりします。つまり運用の才能があるかどうかに関わらず年次が経過すればファンドマネージャーになるのです。
一方、ヘッジファンドでは運用成績が悪いと運用資金が抜けていき最終的に償還ということになってしまいます。つまり、へッジファンドマネージャーとして成功するためには本当に運用の才能がないといけないのです。
その意味でBMキャピタルのファンドマネージャーは経歴と実績ともに申し分ありません。
【経歴】
東京大学在学時:
事業を複数立ち上げ既に頭角を表す。自分で稼いだ利益で運用を始めたのがファンドの始まり。当時リーマンショックを経験していたがプラスのリターンを出していたそうです。当時から下落耐性の高い運用手法を確立していたことが伺えます。
英国系外資系証券会社に勤務:
卒業後英国系の証券会社である六本木ヒルズのバークレイズキャピタルに就職。デリバティブ商品の組成など理系と金融の知識を活かした専門性の高い職種に従事。
本格的にヘッジファンド運用を開始:
2012年にかつて事業と運用で増やした資産を核として、他の経営者や富裕層からの資金を追加して本格的にヘッジファンドとして運用を開始。運用10年目に入り総運用資産額は100億円を超える
さらなる詳細は以下記事にまとめています。

BMキャピタルの運用成績、過去のパフォーマンス

BMキャピタルに投資をして随分長くなってきていますが、複利効果を実感する日々です。
派手な単年のリターンこそありませんが、堅実に安定した運用で複利を生かすことによる破壊力に素直に驚いています。
筆者もBMキャピタルにあずけて7年になりますが1年も下落することなく資産を2.5倍以上に増やすことがでています。安心して資産が増える様子を眺めることができる日々に満足しています。
BMキャピタルの運用の方針として資産を「損を出さない」「堅実な運用」というポリシーがあります。詳細は以下の記事にまとめています。

BMキャピタルの出資の流れ
BMキャピタルは私募ファンドなので基本的には知人経由で出資をするのが基本です。
または公式ページに問い合わせフォームがありますので、こちらで資料請求の問い合わせを行います。
問い合わせを行うことで面談を実施することができます。
面談→出資までの流れは筆者の実体験を元に以下に詳細をまとめています。

BMキャピタルの最低出資額と解約条件
BMキャピタルはヘッジファンドという形式で運用されています。一般的にヘッジファンドという形態は顧客一人あたりの最低出資額が大きくなります。
Minimum initial investment amounts for hedge funds range from $100,000 to upwards of $2 million. Hedge funds are not as liquid as stocks or bonds either and may only allow you to withdraw your money after you’ve been invested for a certain amount of time or during set times of the year.
参照:Forbes
BMキャピタルのホームページには最低出資金額について以下の記述があります。
Q:最低投資金額はいくらからですか?
A:原則として1,000万円から受け付けております。1,000万円以下での投資希望の場合は弊社役職員とご相談ください。
一文目では1000万円からと記載されています。先ほどの記述から分かる通り、最低出資額が1000万円だとしても相当良心的な水準ですね。
更に、二文目に注目してください。1000万円以下であっても投資希望の場合は相談可能となっています。つまり、1000万円未満であっても投資できる可能性があるということです。
実際、筆者も最初に投資をした時は600万円から受け入れてもらいました。流石に100万円や200万円だと難しいかもしれませんが、500万円程度でも出資の可能性があるということです。

BMキャピタルの税金:総合課税とは
BMキャピタルの投資によって発生する利益に対して発生する税金をお伝えしていきたいと思います。
BMキャピタルは分離課税ではなく総合課税となります。
つまり、給与所得として合算して税金が計算されるということです。つまり、給与所得と合わせて税金が計算されるということになります。
総合課税による所得税の計算は以下となります。
例えば課税給与所得が600万円でBMキャピタルの引き出し時の利益が400万円だとします。すると、支払い税金は以下の通りとなります。
支払い税金
=
(600万円+400万円)
×
33%
–
控除額1,536,000
=
1,764,000円
このうちBMキャピタルの利益に関する税金分は全体の40%なので705,600円となります。結果的に税金は17.6%ということになります。
更にここに住民税10%が追加されるので、実質的には27.6%ということになります。この場合は申告分離課税のキャピタルゲイン税の方が有利な税率になりますよね。
しかし、BMキャピタルの税率については本質的な点を考えなければいけません。
詳しくは詳細記事にまとめています。

税金について考えるべきこと(総合課税の方が税率が低くなるケースもある)
税金について一概に率で考えるべきではない理由を2点お伝えします。
総合税率が10%未満であれば住民税加味された上でも申告分離課税よりも低くなります。
先ほどの図に戻ってみましょう。10%に到達するのは195万円ですが、195万全額に10%がかかるわけではありません。
195万円までは5%で195万円を超えた分に10%の税金がかかるということです。そのための調整が控除額で算出されます。
つまり、所得税率が全体の10%のなるのは計算すると4,275,000円以上ということになります。給与所得と合算して4,275,000円未満の所得なら寧ろ割安ということですね。
例えば退職している方の場合は税率が低くなる可能性が高くなります。例えば以下のケースと想定してみましょう。
年齢:70歳 退職済み
投資額:3000万円
運用後:6000万円 (つまり利益は3000万円)
例えば年間600万円取り崩すとしましょう。すると、この600万円の中の利益分は300万円となるので税率は20%未満となります。
残りの5400万円は運用で増えていきます。年率リターンが10%とであるとすると翌年には5940万円となります。
そして翌年、また600万円取り崩します。また税率は20%未満となります。そして残りの5340万円は運用継続していきます。という取り崩し方をしていくと税金も抑えながら、運用も継続できてお得ですよね。
ポンジスキームの可能性(合同会社スキームについて)
私募ファンドといえば、公募ファンド(一般的な投資信託)と異なり出資している人も少なければ、ファンドから情報発信もほぼありません。
つまり、知人からの口コミなどが情報収拾のメインになってくるでしょう。
故に、そういった情報の非対称を生かして私募ファンドと謳い、ポンジスキームを組成する事業体も少なくありません。
ポンジ・スキームとは、投資家にほとんどリスクを負わせずに高いリターンを約束。後から参加した投資家から取り上げたお金で、先に参加した投資家にリターンを発生させる詐欺的な投資詐欺のことです。
結論、BMキャピタルはポンジスキームではないと判断していますが、以下で検証しています。

合同会社スキームについては以下の記事でまとめています。

BMキャピタルの口コミ、評判、噂
BMキャピタルは私募ファンドなので、公式情報が中々出てきません。
人間、知らないものは怖いということで、BMキャピタルについても様々な憶測や噂が飛び交っています。10年程運用をしている国内老舗ヘッジファンドであり、規模も大きくなっていますので話題にはなりますよね。
出資者からすると、外から見るとこのように見えているのかと興味深かったりもします。

BMキャピタルの投資手法:バリュー株投資&アクティビスト戦略
BMキャピタルが根本戦略として採用しているのがベンジャミン・グレアム流のバリュー株投資戦略です。
グレアム流の投資の素晴らしい点は不確実な未来を投資の判断基準に含めていない点です。将来の利益の予測なんてしても無駄であるという視点で銘柄選定を行なっています。
グレアムは今企業が保有している資産と負債と時価総額のバランスで銘柄を選定していきます。具体的には以下の式が成り立ちます。
【グレアム流の銘柄選定条件】
正味流動性資産 × 2/3
>
時価総額
※ 正味流動性資産=流動資産 – 総負債
※ 流動性資産:1年以内に現金化が可能な資産
※ 時価総額 = 発行済株式数 × 株価
ただ、何故2/3なのかという理由はありませんし、流動性資産にも不確実性があります。流動性資産は商品が含まれています。
BMキャピタルのネットネット株は以下の条件を選定します。
【BMキャピタル流の銘柄選定条件】
正味現金同等資産
>
時価総額
※ 正味現金同等資産=現金同等資産 – 総負債
※ 現金同等資産=現金+営業債権+有価証券
※ 時価総額 = 発行済株式数 × 株価

この条件であれば確かに保有している現金の価値と時価総額を「Apple to Apple」で比べることができます。
既に保有している現金より低い時価総額の銘柄であれば安全性が高く、下落耐性が高いことに頷けますよね。
わかりやすく例えると、時価総額でまるごり企業を購入した瞬間に企業を清算した瞬間に手元に購入額以上の金額が残るので即時に利益を得ることができます。
つまり買った瞬間に利益が確定しているような銘柄を購入するということです。
しかし、このような銘柄が存在するのか?疑問に思われた方も多いのではないでしょうか?
確かになかなか存在しないのですが日本株市場にはいくつもこのような銘柄が存在しています。理由は2つあります。
1つは現在の日本株は世界的にみて最も割安な部類となっていることです。
以下が全世界と主要国・主要地域の2021年末時点でのPERとPBRを横並びで比較したものです。日本株市場は中国と並んで圧倒的に割安な水準となっています。

2点目は上々企業数の多さです。日本は時価総額に比して異常に多い上場企業数となっています。

証券会社も大きな時価総額を有する企業の分析をしますし、機関投資家も大型株しか購入しません。結果として超小型株に関しては市場のスポットライトが当たらない状況になっているのです。
スポットライトが当たらない銘柄は異常に割安な状態で放置されている状態となっている銘柄が存在します。そのような銘柄をBMキャピタルは狙い打ちとするわけです。
このような銘柄は投資したとしても、そもそもスポットライトが当たっていないので上昇しない可能性があります。
そこでBMキャピタルは「物言う株主」として能動的に株価を引き上げていきます。つまり、大株主となり経営陣に対して株価を上昇させるための意見をして実施させます。
BMキャピタルのように運用資産が100億円を超えてきており、銘柄を比較的集中しているファンドでは、このような能動的な施策が可能となるのです。
BMキャピタルはバリュー株で守備を徹底しながら、アクティビストとして弱点を補完してアクティブにリターンを狙いにいく攻守共にそろった手法で運用しているのです。
投資法については詳しくは以下の記事にまとめました。

投資事例①:常磐開発
筆頭株主というアクティビスト投資を実践しリターンを獲得した事例です。
https://goodcompanyindex.com/bmcapital-cardinal/
投資事例②:上原商事
バリュー株投資を実践、MBO(=経営陣による買収)というニュースの際にアクティビストとして活動した実績が記されています。
イベント発生を収益機会として逃さずにリターンを目指すアクティブな姿勢を見て取れます。
https://goodcompanyindex.com/uehara-shoji/
投資事例③:金下建設
バリュー株投資を実践。大株主として自社株買い提案なし市場からの注目を集めて能動的に株価をひきあげていくアクティビストの本領としての投資を記しています。

投資事例④:キクカワエンタープライズ
バリュー株投資を実施した後に、アクティビスト活動を行わずとも自然に株価が上昇していった事例です。

他ファンドとの比較
筆者もBMキャピタルに投資をする際に他のファンドとの比較検討を行った上で投資をおこなっています。比較検討の際に検討したファンドと検討結果を記しています。
ストラテジックキャピタル
ストラテジックキャピタルはBMキャピタルと同じく「物言う株主」として活動しているヘッジファンドです。バリュー株としての側面がうすく防御力まで加味した結果、BMキャピタルに軍配があがると考えました。
https://goodcompanyindex.com/strategic-vs-bmcapital/
セゾン投信(資産形成の達人ファンド)
セゾン資産形成の達人ファンドは世界の株式市場の動きに概ね連動するファンドです。
つまり、世界の60%以上を占める米国株の影響を大きく受けます。米国株は2022年はインフレの発生にる金融引き締めと景況感指数の悪化に伴うスタグフレーションが懸念されています。
今年は特に控えておいた方が賢明でしょう。

ひふみ投信
ひふみ投信は日本を代表する投資信託です。
以前は非常に高いリターンを出していたのですが「カンブリア宮殿」にファンドマネージャーの藤野氏が出演したことで状況が一変しました。
純資産額が急増し運用資産額が7000億円を突破し本来藤野氏が得意としていた中小型株投資ができなくなったのです。現在は大型株に過度に分散したポートフォリオで運用しており、直近3年は日経平均にさえも劣後した成績となっています。
BMキャピタルは規模的にも運用手法的には上位互換であると筆者は確信しています。

ヘッジファンド証券
ヘッジファンド証券はヘッジファンドを仲介している仲介会社です。
良質なファンドを紹介していればよいのですが、紹介していたファンドは成績が悪く償還になっています。新しく紹介を始めたヘッジファンドも成績は芳しくありません。
https://goodcompanyindex.com/hfyuryou/
エクシア(EXIA)合同会社
エクシアは今や一番世間を賑わせているファンドではないでしょうか。
しかし、断定はできませんが以下の観点からポンジスキームの疑いがあります。
✔︎ 毎月数%のリターンを継続して出し続けている
✔︎ 運用手法が不透明
✔︎ ファンドマネージャーが服飾専門学校出身
✔︎ 引出額に上限が設けられており抽選制となっている
全て怪しい点なのですが、特に最後の引き出しに制限が課されている点は警戒しています。あくまで疑惑ですが、怪しいものには手を出さないという方針で候補から外しました。
https://goodcompanyindex.com/exit-bmcapital/
マネックスアクティビストファンド
マネックスアクティビストファンドも名前の通り「物言う株主」として活動しているマネックス証券のファンドです。
しかし、実態は全くアクティビストファンドではありません。なぜなら運用資産額がBMキャピタルと同じ規模なのに大型銘柄に多く分散して投資しているからです。
アクティビスト投資は大株主になることで発言権を得て実施することができます。1%未満の株式しか取得せずにアクティビストファンドをなのるのは名前負けしていると言わざるを得ません。
https://goodcompanyindex.com/mone/
スカイプレミアム
スカイプレミアムも世を賑わせているファンドですね。違法性が疑われて証券取引等監視委員会から営業停止命令を受けています。
エクシアと同様に運用の実態も疑われておりポンジスキームの可能性があります。そもそも営業停止を受けているので預けることはできませんが、手を出さない方がよいでしょう。
https://goodcompanyindex.com/skypremiusm/
ヘッジファンドダイレクト
ヘッジファンドダイレクトはタクシーに乗車していると、よく見かけるCMの会社です。
いつかはゆかしで有名となったアブラハムが行政処分をうけて名前を変えて転生した会社です。HPには取り扱うファンドの中で成績がよかったものだけが紹介されていますが、何を紹介されるかわからないという不透明さがあります。
https://goodcompanyindex.com/hedgefund-direct/