他のファンドや投資信託と比較

不調で終わったと囁かれる「ひふみ投信」や「ひふみプラス」はやめたほうがいい?評判のBMキャピタルとの類似点と比較しながら分析。

ひふみ投信のポートフォリオの変遷

運用開始から華々しいリターンを叩き出し日本の独立系投資信託の礎を築いたといってもよい「ひふみ投信」。

確かに運用開始からのリターンはずば抜けており、日経平均株価が3倍となっているのに対して、ひふみ投信は運用資産を5倍にしています。

ひふみ投信の設定来のリターン

しかし、ここ数年の傾きが明らかに鈍化しているのがみて取れると思います。過去3年でみると「ひふみ投信」のリターンは日経平均と同等となっています。

 

しかし日経平均は配当金を出しています。上記はそれを差し引いた後のリターンとなっているので、実際は日経平均に劣後するリターンとなっているのです。

青:ひふみ投信
赤:日経平均株価

ひふみ投信の過去3年の成績と日経平均株価の推移

 

また、2022年に報告された書類でも、TOPIX(東証株価指数)に劣後しており、不満の声が各所で見られました。

ひふみ投信の運用成績

 

この記事ではなぜ「ひふみ投信」が不調に陥っているのかをお伝えした上で、まさに昔の「勢いのあったひふみ投信」と同じ運用を行っているファンドともいえるBMキャピタルとの比較を通じてみていきたいと思います。

ひふみ投信の不調の原因は急増した純資産にあり

ひふみ投信は2017年半ばから成績が悪化しています。2017年半ば以降の値動きは日経平均株価に劣後しています。以下の通り日経平均と同じ動きをしています。

これであれば、日経平均に連動するインデックス投信を購入するのとなんら変わりません。

青:ひふみ投信
赤:日経平均株価

2017年からの日経平均株価とひふみ投信の比較

では何が原因なのでしょうか?

結論は明確です。最初に結論から申し上げると「ひふみ投信」が不調に陥った最大の要因は純資産の急激な増加です。

 

「ひふみ投信」のファンドマネージャーである藤野英人氏が2017年2月にカンブリア宮殿に出演しました。

2017年2月16日放送:間違いだらけの”日本の投資”に変革を― 成長企業を見抜くカリスマが明かす投資術!

カンブリア宮殿に取り上げられて以降、申し込みが急増して急激に運用資産額が上昇しました。カンブリア宮殿はこう考えると、素晴らしい広告ですよね。

ひふみ投信の純資産の推移

上記はひふみ投信だけですが、同じリターンとなる「ひふみプラス」や「ひふみ年金」などを合わせると運用資産額は2021年12末時点で7800億円にまで膨れ上がっています。

確かに不調となった時期は一致していますが、ではなぜ成績が不調になったのでしょうか?

 

次の項で詳しく見ていきたいと思います。

 

純資産の急増で運用手法が大きく変化!中小型株投資から大型株を中心とした投資に変遷

純資産がカンブリア宮殿放送後に急増してから運用手法が大きく変化しています。

以下は2012年以降の「ひふみ投信」のポートフォリオに組み入れられている銘柄の時価総額毎の分布比率です。

 

ひふみ投信のポートフォリオの変遷

2012年から2016年は超小型株の比率がある一定程度存在していました。しかし2017年以降に超小型株の比率が減少して大型株の比率が大きく上昇しています。

運用資産額が大きくなりすぎて超小型株だけで運用をするのが難しくなったのです。

実際、組み入れている銘柄の比率も2021年12末時点で大半が大型株がひしめきあう東証一部となっています。

ひふみ投信の組み入れ銘柄の市場別比率

 

そもそも、ひふみ投信のファンドマネージャーである藤野英人氏は「中小型株投資(ボラティリティが高く、リスクがあるがリターンも大きい銘柄への投資)」を得意としていました。以下が日経新聞者による藤野英人氏の説明です。

レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長/CIO(最高投資責任者)

JPXアカデミーフェロー、東京理科大学上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師。一般社団法人投資信託協会理事。

1966年生まれ。早稲田大学卒業後、国内外の運用会社で活躍。特に中小型株及び成長株の運用経験が長く、25年間で延べ6500人以上の社長に取材し抜群の成績をあげる。2003年、現会社を創業。「ひふみ投信」を運用し、ファンドマネジャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。2020年には6度目となる「R&Iファンド大賞」最優秀賞を受賞。

参考記事:日経新聞

 

中小型株投資に定評があり、実際超小型並びに中小型株に投資をおこなっている期間は非常に高いリターンを残しています。

実際、カンブリア宮殿で取り上げられる前までのリターンは以下の通り日経平均株価を大幅に上回る成績を出しています。

2017年までのひふみ投信と日経平均株価の推移

日本は非常に多くの上場企業数を抱えています。ジャスダックやマザーズの平均時価総額は200億円程度と圧倒的に小さくなっています。

日本の多い上場企業数

小さい企業は、あまり分析がなされていないので、不当に割安な価格で放置されているということがよくあるのです。

実際、小型株が多く存在している東証二部やマザーズやJASDAQでは個人投資家の比率が大きくなっています。

個人投資家は詳細に分析して投資を行っているわけではないので企業の本質的な価値とは乖離して取引されている株が多く転がっているのです。最終的に、巨大資金を持つ機関投資家が集い、株価が急騰していく銘柄が眠っている市場なのです。

 

ひふみ投信の藤野氏は、この中小型株市場に目をつけて圧倒的なリターンを出してきたのですが、運用する資産が急激に増加するにつれて魅力的な中小型株投資だけでは運用できなくなってきたのです。

そして、この傾向は「ひふみ投信」に限ったことではありません。統計的にみても、純資産額が大きい投資信託は成績が悪くなる傾向にあることが日経新聞の記事にも紹介されています。

ただ統計的に見て、純資産の大きさと運用成績の良しあしには何の関係性もありません。むしろ日本株に限って言えば、純資産が小さめの投信の方が好成績を残す傾向が見て取れます。

参照:日経新聞デジタル

 

一般的に数百億円規模のファンドではリターンを出しやすいのですが、規模が大きくなると魅力的な銘柄にだけ投資をするということが難しくなりリターンが悪化してしまう傾向にあるのです。これは人気投信の宿命といえる結果といえるでしょう。

 

さらに詳しく、大きな資金を持つことのデメリットについて言えば、例えば時価総額100億円に満たない小型株で魅力的な投資先があったとします。

割安銘柄を見つけたことにより、資金が大きなファンドはその小型株を購入しようと考えますが、その「買い」に見合う「売り」が中々見つからない可能性もあるのです。つまりは株の買いが成立しにくいということです。

そして、ファンドは結局は何日かかけてその小型株の株を集めることになりますが、その過程であまりにも「出来高」が大きくなってしまうため、他ファンドや個人投資家にその銘柄の魅力がバレてしまいます。つまり、割安で買えたはずなのに、想定より割高で購入する機会が増えてしまうのです。

出来高とは、期間中に成立した売買の数量のこと。株式の場合、1日、1週間など、ある一定期間内に売買が成立した株数を指します。銘柄ごと以外に、市場全体や指標での出来高も評価されます。

「出来高は株価に先行する」といわれることもあり、市場の活性度を測るバロメーターとして使われます。
また出来高とは別に売買代金という言葉があります。出来高は株数などの売買量を指し、売買代金は売買で動いた総金額を指します。

SMBC日興証券・出来高

 

ひふみ投信の運用総額はすでに7800億円と日本では巨額です。上記のようなリターンの高い銘柄に集中投資をするにも、割安での購入が難しく分散を余儀なくされています。

小型株の分散を実施しているのであれば多少リターンが低くなるもそれなりのリターンがまだまだ見込めそうですが、上記で説明した通りひふみ投信は東証一部の大型株に分散しており、日経平均インデックスを大きく上回るリターンをそもそも志していないのではないかと思ってしまいます。

 

銘柄を分散させすぎて日経平均株価と同様の動きになっている

上記でも軽く触れましたが、ひふみ投信が2017年以降に大きく変わったことがあります。

それは、日経平均との連動性の高まりです。

投資用語でいうと「β(ベータ)」が「1」に近いということを意味します。

Β(ベータ)とは、株式市場が1%変化したときに、任意の株式のリターンが何%変化するかを表す係数。個別の株式の相対的なリスクを表す。

統計学的には、ある株式と株式市場の共分散(covariance)を、株式市場の分散(variance)で割ったもの。

βi=Cov(rM、ri) ÷ Var(rM)
i:任意の株式
rM:株式市場のリターン

例えば、株式市場全体のリターンがある期間に10%上昇した際に、同じ期間に個別銘柄のリターンが5%上昇した場合、その銘柄のβは0.5になる。株式市場全体のリターンがある期間に20%上昇した際に、同じ期間に個別銘柄のリターンが10%下落した場合、その銘柄のβは-0.5になる。

MBA用語集

 

最初の値動きをもう一度再掲します。殆ど同様の傾向を示していますね。

ひふみ投信の過去3年の成績と日経平均株価の推移

この原因も単純です。ひふみ投信は2017年以降銘柄を分散させすぎています。現在の組み入れ銘柄数は287銘柄となっています。

指数の日経平均が225銘柄であることを考えると、以下に多くの銘柄に分散させているかが読み取れますね。

ひふみ投信の組み入れ銘柄数

分散させればさせるほど、更に大型株に分散をしているのでリターンは日経平均と同様になっていくのです。

正直、ここまで分散させるのであれば、あえてアクティブファンドである「ひふみ投信」に投資をする妙味は少ないということができるでしょう。

 

過去の「ひふみ投信」に投資する方法とは?

今は普通の投資信託になってしまった「ひふみ投信」も昔は本当に素晴らしい成績だったことは事実です。

であるならば、まさに昔の「ひふみ投信」のような銘柄に投資をすればいいのです。

 

つまり敏腕ファンドマネージャーが中小型株の魅力的な企業に厳選投資しているファンドに投資をするのが投資家としては合理的な選択肢となります。

まさに筆者は、そのようなファンドといえるBMキャピタルに投資しています。運用資産額は100億円程度であり、まさにひふみ投信が好成績を出していた時代を生きているとも言えます。どの分野でも、先行者利益というものはあり、ひふみ投信もカンブリア宮殿に出るまでは無名でした。

 

BMキャピタルは東京大学卒、一流外資系金融出身のファンドマネージャーが超小型の割安株に厳選投資をして以下のような素晴らしいリターンを出しています。小型株を扱っているにも関わらず、歴史的にもその実績が認められているバリュー株投資で下落耐性も強い安定運用を行なっています。

  • 過去1度も年度ベースでマイナスのリターンなし
  • 平均年率10%の安定したリターンの積み上げ

 

投資したら放置ではなく「物言う株主」として積極的に経営陣に提言して株式価値を引き上げ株価を上昇させていっています。

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>>詳細ページ

 

まとめ

ひふみ投信は堅調な成績を残していましたが、カンブリア宮殿に取り上げられていこう純資産額が急騰してしまい本来の運用ができなくなってしまいました。

今まで中心だった中小型株投資から大型株投資になり、組み入れ銘柄数も増えたことで日経平均と同等の動きをする傾向が強くなっています。

過去のひふみ投信のような投資手法で堅実かつ高いリターンのファンドに投資した方が賢明であると筆者は考えます。